話題の糖質制限によるダイエット(1)
体型の美しさを保つため、或いは健康維持のために様々なダイエット方法がありますが、これほど世間を賑わせながらも次々と新しいダイエット方法が話題になるといことは、それだけ「うまくダイエットできている人が少ない」ということではないでしょうか?
日本では糖質制限ダイエットがブームとなり、飲食店のメニューやコンビニやスーパ

ーの食品コーナーにも糖質制限メニューや商品が並ぶようになりました。
この糖質制限ですが、ダイエット的な側面が強調されている印象がありますが、今までの医学界の常識を覆す内容でもあるためか、医療者の間でも賛否両論があるようですね。
私が知る限りでは、医師の元で受けた糖質制限やメガビタミン療法による健康被害は聞いたことがありませんが、長期的に行った場合に健康被害がないかどうかはこれから更に研究が進むことにより明らかになっていくのではないかと思います。
そもそも、糖質を制限するしないということを論ずる前に、体にとって「糖」という成分が必須なエネルギーとして考えられて来たわけですが、それを絶ったとしてもケトン体がエネルギーになるため糖は必須のエネルギーではなく、むしろその過剰摂取により様々な健康被害をもたらしているということが重要ではないかと思います。
つまり、今日まで必須のエネルギーとして摂取してきたものが、むしろ健康被害をもたらしているというわけですから、当然のことながら医学界にも議論が起きるわけです。
一般的には、「糖」というと砂糖や甘いものを想像するかもしれませんが、炭水化物を摂取すると体内ではブドウ糖に分解され吸収されますので、炭水化物全般を指しているわけであり、それを制限し高たんぱく、高脂肪の食事をしましょうというわけですね。
数年前までは生活習慣病の悪者として扱われてきた傾向がある動物性の油脂や肉類などがエネルギーとして良質であると言われるようになったのです。
もちろん、医学会で肉や動物性の油脂を否定してきたということではなく、一般的な健康志向や過度な宣伝広告などからそのようなイメージが拡散されたと言った方が良いのかもしれません。
医療現場で働いてきた立場から言いますと、以前から糖の取りすぎが生活習慣病に影響することは現場でも患者様に注意してましたし、今になって新しいことのように騒ぎ立てられるのもどうかなとは思います。もちろん、完全な糖質制限ということですから、十数年前の指導と違うことは確かです。
しかし、肝臓専門の医師は、「肉は食べても大丈夫。炭水化物が問題」とおっしゃっていたことを思い出します。
この糖質制限ですが、実際に実施することや継続することは簡単なことではないということをハッキリ自覚する必要があると思います。食生活が乱れた結果として生活習慣病になったり肥満になったりした場合、好きな食べ物を制限することに苦しむ方々をたくさん見てきました。わかっていても好きなものをやめるということが困難なためです。
また、一時的にコントロールできたとしても、一瞬の気のゆるみからリバウンドを起こしたり、病気を再発させてしまうこともあります。
理論上はとても興味深く、自ら実施している先生方のお話もとても信憑性があり、症例も増えてきているため深刻な病気を抱えている場合は、専門の医療機関をおたずねすることをお勧めいたします。
安易に取り組むことには危険も伴いますので気を付けていただきたいものですね。
当院でも、体重コントロールに関しては、糖質を減らし高タンパクの食事をすることを提案しながら漢方薬を服用することで喜びの声をたくさんいただいております。
ご自身に合う方法を見つけて、無理のない健康なダイエットや健康管理をご計画されますことを願っております。