症状の韓国表現(1)毒感(독감) ~インフルエンザと漢方薬~
韓国には、体の痛みや症状を表す言葉の中に
「東洋医学的な表現」が時々見られます。
これは、韓医師などが専門用語として使うのではなく
広く一般的に使われている、つまり、「標準語」レベルとして
会話の中に出てくるのですね。
その一つが「毒感(독감)」という言葉です。
長期間に渡って風邪を引いている方に
「風邪、なかなか治りませんね...」と心配の声をかけると
「毒感だからね」と言われたことが何度かありました。
ひどい風邪にかかって、なかなか治癒しない場合にも用いられますが
これは、「インフルエンザ」を示すこともあるようです。
ただ、インフルエンザは外来語ですから、
そのまま「インフルエンザ(韓国語風に)」と呼ばれてもいます。
(ハングル記載は인플루엔자)
この毒感(これ以降はインフルエンザとして)に対して
漢方薬を適切に服用すると
副作用なくその症状を軽減することができるという記事が
韓国のハンギョレ新聞に掲載されたており
その内容を以下にご紹介します。
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大韓漢方医協会は日本と中国での漢方薬での治療効果を以下のように発表しました。
日本では、「補中益気湯」を投与した際に、インフルエンザ患者の発生率の減少効果が見られ、また、5歳から35歳まで高熱を伴ったインフルエンザの確定患者18人に「銀翹散」を1日3回投与した結果、16人は24時間以内に、残りの2人はそれぞれ48時間と72時間以内に体温が37.4℃以下になり、一週間再発がなかったという臨床事例が報告されたと伝えた。 (第59回日本東洋医学会学術総会の講演要旨家2008年)。

(※写真は漢方薬のイメージで記載の漢方薬とは無関係です...)
とのことで、もう10年ほど前のことですが...(笑)
さらに、
特に、漢方薬は抗ウイルス剤との比較研究で副作用が著しく少ないことが分かった(Altern Ther Health Med 2014年、Journal of the Chinese Medical Association Vol 79)。一部の抗ウイルス剤が幻覚と幻聴、異常行動などの副作用が知られた反面、漢方薬の場合には、消化器系統の不便のような、比較的軽い副作用だけが臨床試験を通じて報告されたとのこと。
大韓漢方医協会は
「漢方薬が呼吸器でウイルスが伝播されることを防ぎ、免疫系を丈夫にすることで、ウイルス増殖を防ぎインフルエンザを退けることができる役割を果たしているようだ」とし、「インフルエンザが主に咳やくしゃみの際に発生する飛沫接触を通じて伝播されるだけに、咳のマナーを守って手をきれいに頻繁に洗うなどの予防事項を徹底的に守らなければならないし、漢方医師の診断と処方にそって風邪など呼吸器疾患予防効果がある漢方薬を服用することも予防に効果的な方法だ」と強調した。
と報道されていました。(2016.12.29)
原文はこちら(韓国語)
http://www.hani.co.kr/arti/society/health/776599.html
あくまでも、報道記事の翻訳ですので
漢方薬といえども「薬」ですから
漢方薬は、医師の診断による適切な処方を受けて服用して下さい。
これから、インフルエンザが猛威を振るう季節になりますが
体調管理を万全に行い
寒い冬を乗り切りましょう